イチローが、遂にメジャーで9年連続の200本安打を達成した。
日本人で、イチロー以外に200本打っているのはヤクルトの青木だけ。彼も、WBCの主力として活躍するほどの選手だ。しかし、その青木でさえ一度しか達成できていない。
4,256というメジャー最多安打記録を持つピート・ローズ、「球聖」といわれたタイ・カッブでさえ、連続で200本を打ったのは3シーズンが限界だった。
イチローが続けていることが、どれだけ並外れているかが分かる。
そして、記録を気にしないことで有名なイチローが、唯一こだわっているのがこの「安打数」だ。
それまで、首位打者こそがバッターの最高の勲章のひとつという考えが当たり前だったのに、どうして「打率」ではなく「安打数」にこだわるのか。
以前どこかで目にしたのだが、それは「打席に立つことが怖くなるのは嫌だから」だそうだ。
※ただ、本音では打率も首位を獲りたいといつも口にしている。
打率を目標にすると、例えばその時点で首位打者だったら、率を下げたくないからと消極的になる。四球も選びやすくなるだろう。
そうすると、バッターボックスに立つのが怖くなる。多少でも「嫌」という感情を持つようになる。
しかし、安打数であれば違う。
打席が多ければ多いほどチャンスも巡ってくる。ヒットを打ちたい、打席に立ちたいと常に思うようになる。
だからこそ、彼は安打数にこだわるのだそうだ。大好きな野球を、嫌になったり怖くなったりしたくないから。
四球を選ばない、進塁率が低いなどと言われるのは、イチローのこんな「超アグレッシブ」な考え方にも理由もあるのだろう。
これこそ、究極のポジティブ思考というか、いい意味での自己暗示という感じがする。
まぁ、例え暗示をかけたとしてもそれを続けられるかどうかはまた別問題だけど。
有名な話だと思っていたのですが、先日、知人に話したら誰も知らなかったので記事にしてみました。
はじめまして!
イチローの安打数にこだわる理由、確か、イチローが200安打を初めて打った94年の時に雑誌のインタビューで言っていた事を思い出します。
そしてこれまでイチローがそれを忠実に実行してきたことは凄いと思います。
しかし、打率が下がるのが嫌で打席に立つことが怖くなると言うのはイチロー以外の選手でも同じだと思うのですよ。
なにせ数字がその選手の人格を決めると言われる世界ですから。
それでもその恐怖を克服して四球を選び、甘い球を待って長打につなげて、ヒットを打つ以上に勝利に貢献する選手もたくさんいるのも事実です。
ですから、イチローの安打にこだわるこの「理由」が本当であるならば、ちょっと甘いかなあと思いますね。
敵と戦う前に、自分との戦いに消耗している感じがするのです。
じろうさん
コメントいただきありがとうございます。
私も、じろうさんのご指摘に同意する部分があります。
ただ、決して擁護するというわけではないのですが、イチロークラスの選手が、本当に自分のためだけにヒットを打ち続けようと考えているわけではないんじゃないか、とも思っています。
例えば四球でなく内野安打であれば、野手がエラーしてその先の塁に進めるかもしれないとか、自分でボールだと判断して見送ったものも、審判がストライクとするかもしれないとか、そういったリスクを取るのであれば、自信のある打撃に賭けるほうが可能性が高い、と判断しているのかもしれない。
まぁこればかりは、本人に聞いて見なければ分かりませんが。
しかし、じろうさんがおっしゃるように、イチローには自己の記録のためにヒットを優先するという考えが多少なりともあるのではないかと思います。これは、彼の発言の端々を総合した、単なる想像ですが。
それをチームプレイ無視のエゴと取るか、彼らしいプレイスタイルだととるか、ということのような気もします。それを完全に理解するためには、彼が試合のどのような局面でどのようなヒットを打ったのかを知る必要があると思うのですが、日本のメディアの情報だけだと、そこまで知ることが難しいですね。今日は何本打ちました、ということしか報道しないので。
もちろん、きちんと調べれば分かるのでしょうが。