「男の子牧場」は意外と面白いかも

サイバーエージェント、男性情報を共有するサイト「男の子牧場」を開始

略して「おとぼく」。
「婚活」「草食系」などのBuzzワードを頻繁に使っているが、サイトの区分としては出会い系ということになるんだろう。

ブログ、Twitter界隈では予想通りネガティブな反応が多いが、個人的には今までにない面白いものだな、と感じた(まだ利用はしてないが)。

理由は、
・女性が自らの顔を出さなくてよい
 →出会いを求める女性は多いが、自分の写真を表示するのはかなりの抵抗がある
・男性は「自分で登録したわけではない」と言い訳できる
 →何かあったら「オレは嫌だったんだけどさぁ…」と言える
・女性 > 男性という明確な線引きをしたことにより、ある程度開き直った、明るいコミュニティ形成が期待できる

そして、サイトへの積極的な参加を促すためのモチベーションも、男女別に用意されている。

■女性のモチベーション
・たくさんの男性をストックすることで周りからの注目度が上がり、他の女性から「友だちになって欲しい」とアプローチが来る。そうなれば、自分が出会える男性の数も自然と多くなる。
・男性に出会いを提供することで感謝される。

■男性のモチベーション
・とりあえず登録しとけば、何もしないでいい。自分からは動けないものの、女性の側からアプローチしてくれる。
・不特定多数ではなく、自分を登録した女性が承認した相手にしか写真を見られる事はないので、抵抗感は薄い

こんなところかな。

ネーミングも含め、ネガティブな反応が来ることは十分予測していたはずだ。
「ひどいネーミング」「男は家畜か!」

しかしこれで逆に話題となり、宣伝になった。もちろんそこまで計算していただろうし。

ただ、女性専用となっているがそれを確認する術が(どうやら)ないため「複数の男性が、女性のふりをしてお互いを紹介しあう」という利用方法も可能だろう。

そして何より大きな障害だと思うのは、最終的なアクションが女性に委ねられている、という点。
顔がタイプで年収がよくて、趣味も合う最高の男性がいたとして、その情報を持つのが会ったこともない他人、最悪、女性と偽って、写真もイケメンに偽っている男性の可能性があると考えた場合、一般的な女性が「会いたい」と自らアクションするかな。

これを解決するためには、既に知り合い同士、または例え会ったことがなくても信頼関係が構築できる、濃密なコミュニケーションが可能なつくりにする必要があるだろう。

一般的になるかどうかは分からないが、今までにないタイプの面白いサイトではあると思う。
話題性だけで終わらず、大化けする可能性もなくはないかも。

Googleサジェスト八分検証・その2

前回のエントリ以降、気になったので他の単語でもやってみた。
今回はGoogleトップで行った。

まず、「堀江」
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「ほりえたかふみ」
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誤字の候補が…

「ホリエモン」
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ドラえもんみたいになっちゃった(笑)
ちなみに、商標登録されたのは、全部カタカナの「ホリエモン」。

ライブドア事件が関係している(だとしても、こんなことする意味が分からないが)のかと思って、関連性の強い他の方で検索してみると、

「村上世」
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「宮内」
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ちゃんと表示される。なんで堀江さんだけw
何かGoogleに恨まれるようなことをしたんだろうか。

他にも、一般的に差別用語と言われるような単語(ここでは具体的に記載しないが)で試してみたところ、同じように変換候補が表示されるものもあれば、されないものもある。統一性もないように見受けられた。

検索自体は普通にできるのだから、変換候補を非表示にしたところで検索クエリがどれだけ減るのか分からない。
「Googleが検索させたくない単語」があるとして、考えられるのはやはり「公序良俗に反する」とかだろうと思う。しかし、それになぜライブドアや堀江貴文さんが入っているのだろう。

おそらく、手入力で操作する何らかのブラックリストがあり、ライブドア事件でそれらを検索する人が一時爆発的に増えたとか、根も葉もない噂を立てる記事やブログが乱発して、日本全体の株価に影響も出かねない(実際にとんでもないことになったし)、と判断され、そこに入れられたまま忘れ去られているんじゃないかなぁ、と予測。

『Google予測変換八分』は存在するのか

今日、何気なくFirefoxの検索ウィンドウに「ライブドア」と入力したら、この単語が予測変換に現れないことが分かった。「livedoor」でも同じだ。

「ライブド」まで入力しても出てこない。
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「live」まで入力すると「live door」とスペースが離れたものが表示されるが、
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「livedoo」まで入力すると、「livedooor」などと「o」がひとつ多い検索候補が表示される。
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これはどう考えてもおかしいだろう。「ライブドア」と「livedoor」を非表示にしてるとしか思えない。

ちなみに、Yahoo! JAPANの検索では以下のように「l」や「ラ」一文字でも、先頭に表示される。

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一時「Google八分」というのが話題になったが、「Google予測変換八分」というのも存在するのだろうか。それとも、ただの私の勘違いだろうか。

それにしても、いつからこの状態だったのだろう。まさか、あの事件以来ずっとだったりして。
他にも同じような単語はあるのだろうか。

カフェスタ終了に思う SNSの収益の難しさ

カフェスタが終わる。このニュースは私にとって、結構な衝撃であった。
ピンチだからアバター買って」と訴えたのは記憶に新しいが、そのときから今まで「カフェスタもか…」とある種の絶望感に包まれた。

カフェスタの開始は2002年7月。mixiとGREEが2004年なのだから、その早さが分かる。
アメリカのFriendster、Myspaceではなく韓国に影響を受けた、事実上日本初の本格的SNSサイトだったのだ(「SNS」という言葉すらまだ存在しなかったが)。

もちろん今のmixi程度の規模ではないものの、彼らは一時期は日本のコミュニティサイトのさきがけとしてその地位を独占し、収益も上げていた。「カフェスタの一人勝ち」と言われていた時代もあったのだ。
しかし、彼らのライバルはすぐに現れた。それが「ハンゲーム」だった。同じく韓国の流れを受けた同サイトは、持ち前の「ゲーム開発力」であっという間にカフェスタを追い抜いた。それまでカフェスタも自前の「カフェスタゲーム」というものを持っていたものの、ハンゲームに比べればあまりにも貧弱であった。

個人的に、カフェスタの敗因は「アバターそのもの」にもあったと思う。

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上がカフェスタで下がハンゲームのそれだが、カフェスタのアバターは語弊を恐れずに言うならば、どうも「韓国くさい」。日本人が好むような絵柄ではないと思うのだ(実際、韓国のアバターは今でもこんな感じだ)。
両者がメインターゲットとしている低年齢層の日本人にとって、どちらが「かわいい」と感じるかと言われれば一目瞭然だろう。
しかし悲しいかな、アバターのデフォルトはそう簡単に変えることができない。カフェスタは、このアバターのまま戦わざるを得なくなった。

ショックなのは、カフェスタの収益体系(内訳は別として)が「広告依存ではない」ということもある。現在主流であり、GREEがmixiを追い越す原動ともなった「小額課金」を古くから導入しているのだ。
しかし、それでもカフェスタは終了せざるを得なかった。事業を拡大しすぎたのか、本当の理由は知る由がないが、アバター課金自体に成功しているところがある以上、元祖がこういった結果になってしまったのは非常に残念だ。

そして、やはりコミュニティサービスで儲けるのは非常に難しいと感じざるを得ない。
「人を集めて広告収入」ができているのは本当にごく一握りだけで、あとの世界中のほとんどのサイトが収益化できていない。毎日同じ人が頻繁に訪れるというコミュニティサイトの性質上、広告のCTRが非常に低いというのもあるだろう。

では何で儲けていくのか。小額課金か。GREEはそれで成功した。しかし、それを最初からやったサイトですら失敗に終わるのだ。

個人的には、それでも小額課金しか生き延びる方法はないと思う。有料会員制が厳しい現状、やはり「払う人にはとことん払ってもらう」という方式しかないのではないか。
そしてそれに伴い、マッチング、検索連動型、行動連動型、友だちフィルター型… さまざまな広告が導入されていくだろう。

コミュニティサイトの生き残りは、今後ますます激しくなっていくのだろうと思う。

[読書]実戦! 行動ファイナンス入門 真壁昭夫

「人は、得したときの嬉しさより、損をしたときの悲しみの方が大きい」

投資を行うものにとっては一般的な言葉だが、その仕組みを平易な文章でうまく解説してある。
伝統的な経済学理論には「人は完璧な理論を持って、合理的に動く」という前提があるが、実際には人は感情によって動く動物であり、その点に着目したのが「行動経済学」というジャンルである。本書はその名のとおり、その行動経済学の入門としては非常に適していた。「価値関数」「リファレンスポイント」などの専門用語への言及もある。

実際に投資を行う自分にとっては、「そうなんだよなぁ」とか「まぁ、分かっちゃいるんだけどねぇ」と、痛いところを着かれるような記述が豊富で、自分の投資活動を振り返るよい機会ともなった。

ただし、本当にかなり基本的なことが中心なので、ある程度の知識がある方、投資の上級者の方にとっては当たり前すぎる内容かもしれない。そういった方には、第二章まで読めば十分かもしれない。