weblioのSEOが凄まじい件

少し前から、調べたい単語をGoogleで検索すると、ほぼweblioが1位で表示されるようになった。
ひと昔前は、goo辞書やYahoo辞書だった印象があったが。

そして今日、何となく調べた単語で驚異的な検索結果が表示された。

20130606

あくまで私の環境ながら、なんとトップ10のうち実に9つがweblioで埋め尽くされている。
なんという全盛期の小室ファミリー状態。

しかしよくよく見てみると、検索した単語とは無関係な内容も散見される。

結果のうちのひとつを見てみると、

20130606_2

このように、金融庁やらWikipediaの文章を引用して表示している。
すべてをDB化しているとは考えにくいので、おそらくAPIを利用し、検索ワードを元に、そこそこ権威のある文章を引っ張ってきているのだろう。

こうすれば、膨大な単語や文章を自らのコンテンツにし、キーワードにできる。
普通のサービスがこれをやったら完全にスパム扱いされそうだが、辞書の利用者からしてみれば、このような例文が表示されることは有用でもある。
さしものGoogle先生も、振り上げた拳で頭を掻くしかないのかもしれない。

これが彼らのSEO対策のすべてではないだろうが、辞書というコンテンツを逆手に取った、非常に巧妙な手法だなと感じた。

技術集団としてのYahooの終焉と、検索業界のこれから

YahooとMSの提携が遂にまとまった。
会社丸ごとの買収から始まり、Googleとの連携までも模索していたが、結局無難な形に落ち着いたようにも見える。

これはのちのちWeb業界の大転換のひとつとなるだろうから、現在の自分なりの考えをまとめてみたい。

まず、MSにとっては一定の価値をもつ結果といえるのではないか。
YST(Yahooの検索エンジン)がMSの「Bing」に取って代わるとのことで、MSはYahooが蓄積してきたノウハウを好きなだけ利用できる。これはBingの開発チームにとって、この上ない武器だ。
金銭面では、Yahoo側にかなり譲歩したようにも見受けられるが、彼らが本気で獲ろうとしているGoogleの牙城に比べれば屁でもないだろう。

一方のYahooにとってはどうか。
Bingを利用した検索広告料の88%はYahooに入ることになっていて(12%は持っていかれるという意味にもとれるけど…)、MSに表示される検索広告の販売権も持っているそうだ。上述の通り、金銭面で見れば決して悪い条件ではないだろう。

これでGoogleを追いかける準備はできた。両社の幹部はそう考えているかもしれない。

しかし、私がこの件で最も懸念しているのは、検索エンジンの開発に携わっていたYahooのエンジニアのモチベーションだ。

検索エンジンのアルゴリズムは、企業にとってトップシークレットである。その詳細は、社内でも一握りの人間しか知らない。
それゆえに、検索エンジンの開発はWebエンジニアの中でも花形だ。警視庁でいう捜査一課、消防隊でいうハイパーレスキューというか、とにかくある種別格の存在である。

彼らのうちの多くがコンピュータ工学を学び、アメリカや世界中の工科大学を首席で卒業するような、超がつくエリートたちだ。

そんな彼らが「打倒Google」を目指して毎日研鑽していた物が「今日で終了」とあっさり打ち切られるのだ。心中いかばかりか。
Yahooには「Search Monkey」や「BOSS」といった検索を利用した先進的なサービスがあるが、それらの開発もすべて止まることになるかもしれない。

そんな優秀な彼らがすぐにお払い箱になる可能性は低いが、逆に彼らの方が荷物をまとめて出て行ってしまう可能性もある。それこそ、Googleにでも。

そして、日本のYahooはどうなるのか。
まがりなりにも国内トップシェアを誇る商品を捨て、あっさりとBingに乗り換えるのだろうか。
「検索エンジン」といえば、今ではWebサービス企業の命とも言えるものだろう。これを自分たちで持っておかず、外部の企業に委ねて本当にいいのだろうか。

実質上のオーナーである孫正義氏は「可能性が高い」と語っているとのことで、現状では乗り換えが規定路線か。

Yahoo! Japanの検索事業部長であった井上俊一氏が、ライバルであるBaiduの社長に就任したのは、2008年のことだった。
今後、日本のYahooのエンジニアの大量退職なんてことも起こるのかもしれない。

「検索を手放す」という決断をしたことで、Yahooは技術企業としては死んだと言えるだろう。彼らは昔のように、テキストやコンテンツを編集するWeb上のメディア集団になるのではないか。
そしてこの大きな決定が、検索以外のサービスに携わっていたエンジニアのモチベーションに影響を与えることは必死だ。検索が切られたのに、自分たちが今作っているサービスが切られない保証はどこにもない。

成功か失敗かは誰にも分からないが、これからの検索業界はGoogleとMSの2つがガチンコでぶつかり合うことになりそうだ(個人的に、Twitterがそこに入り込むのはまだ時期尚早に思う)。

Googleサジェスト八分検証・その2

前回のエントリ以降、気になったので他の単語でもやってみた。
今回はGoogleトップで行った。

まず、「堀江」
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「ほりえたかふみ」
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誤字の候補が…

「ホリエモン」
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ドラえもんみたいになっちゃった(笑)
ちなみに、商標登録されたのは、全部カタカナの「ホリエモン」。

ライブドア事件が関係している(だとしても、こんなことする意味が分からないが)のかと思って、関連性の強い他の方で検索してみると、

「村上世」
e69d91e4b88ae4b896e5bdb0

「宮内」
e5aeaee58685e4baaee6b2bb

ちゃんと表示される。なんで堀江さんだけw
何かGoogleに恨まれるようなことをしたんだろうか。

他にも、一般的に差別用語と言われるような単語(ここでは具体的に記載しないが)で試してみたところ、同じように変換候補が表示されるものもあれば、されないものもある。統一性もないように見受けられた。

検索自体は普通にできるのだから、変換候補を非表示にしたところで検索クエリがどれだけ減るのか分からない。
「Googleが検索させたくない単語」があるとして、考えられるのはやはり「公序良俗に反する」とかだろうと思う。しかし、それになぜライブドアや堀江貴文さんが入っているのだろう。

おそらく、手入力で操作する何らかのブラックリストがあり、ライブドア事件でそれらを検索する人が一時爆発的に増えたとか、根も葉もない噂を立てる記事やブログが乱発して、日本全体の株価に影響も出かねない(実際にとんでもないことになったし)、と判断され、そこに入れられたまま忘れ去られているんじゃないかなぁ、と予測。